ハーモニカ

ハーモニカとは?
その手軽さゆえに世界的に楽しまれているハーモニカは、吹くだけでなく吸うことでも音が鳴る、めずらしい構造の楽器といえるでしょう。ポピュラーから民族音楽まで幅広く活躍しています。
ダイアトニックとクロマチックに大別
身近な楽器として親しまれているハーモニカ。その基本の仕組みは、枠の中の一連のリード(振動体)に通じる穴から呼気と吸気によって振動させ、音を鳴らすというもの。一見単純な楽器ですが、不必要な穴は舌でふさぎ、左右に滑らせるなどのテクニックもあり、多様な音色を表現できます。
ハーモニカの種類は、構造によって全音階(ダイアトニック)と半音階(クロマチック)の2種類に大別されます。また、トレモロハーモニカとよばれる「複音ハーモニカ」というものもあります。これは1つの穴に微妙にピッチの違う2枚のリードが取り付けられており、豊かな響きが得られるものです。
ブルースハープなど幅広い分野に使われる
18世紀に中国の笙がヨーロッパに紹介されて以来、そのフリーリードの原理を用いた楽器がたくさん作られます。1821年、オルガンのチューニング用に口で吹いて演奏する楽器「アウラ」を製作。これがハーモニカの原型となりました。1829年には、チャールズ・ウィーストンが真鍮リードのマウス・オルガン「シンフォニアム」を考案し、後にアコーディオンの一種であるコンサティーナへ発展させています。
このような初期の手作りの楽器から大量生産の時代に入り、ハーモニカは一般に普及し始めます。1920年代初頭にクロマチックハーモニカが出現し、1930年代後半には本格的な楽器として認められるようになりました。ハーモニカのための楽曲も数多く生まれています。
一方、1930年代には単音10穴のダイアトニックハーモニカがブルース音楽に取り入れられ、今日まで用いられています。ほかにも、ロック、カントリーやジャズなど、さまざまな音楽分野で使われてきました。
演奏形態や用途に応じた最適な選択を
日本においては、1891年頃からドイツ製のハーモニカが輸入されるようになり、価格も安く、音を出しやすいことから急速に全国へ広がりました。ハーモニカのアンサンブルなども盛んに行われる中、複音ハーモニカが製作され、とくに短調のものは「マイナー・ハーモニカ」とよばれて人気を集めました。日本の作曲家たちも、数十曲を数えるハーモニカのための作品を発表しています。
現在のハーモニカは、教育用に開発された低学年の児童にも持ちやすいシングルハーモニカから、高度な演奏にも対応できる複音ハーモニカ、テクニックを容易に活かせるスライド式のクロマチックハーモニカまで、多様なタイプが揃っています。演奏形態や用途に合わせ、最適なものを選んでください。