大正琴/ヴィオリラ

大正琴/ヴィオリラとは?
日本生まれの大正琴は、情緒ある琴の響きを、年齢性別を問わず楽しめる楽器。ヴィオリラはその大正琴を発展させ、弦を「擦る」、「叩く」、「はじく」とさまざまな奏法でアプローチできる、無限の可能性を秘めた楽器です。
大正時代の日本に生まれた「大正琴」
大正琴は名前のとおり、大正初期に日本で生まれた楽器です。名古屋に住んでいた明笛(みんてき)奏者の森田吾郎が、西洋音階のフレットとタイプライターのような音階ボタンを組み合わせて、この楽器を発明しました。
左の方には糸巻きが付いていて、ギターに似た形をしていますが、どことなく懐かしさを感じさせる響きで、現在でも童謡や演歌、ポピュラーなどで活躍しています。
大正琴は弦楽器の仲間ですが、抱えずに机などの上に置いて奏します。基本的な奏法は、左手で音階ボタンを押し、右手のピックで弦をはじきます。ボタンを押すと、金属バーが4本の弦をフレット板に押し付ける仕組みになっています。左手でギターの弦を押さえるのと同じ役割を、ボタンが行ってくれるのです。音階ボタンは、ピアノと同じように白黒の鍵盤状に並び、それぞれのボタンに数字が書かれています。大正琴の楽譜には、数字譜という特別な楽譜が用いられるので、五線譜が読めなくてもまったく問題ありません。
ヤマハの大正琴は、長さ約70センチ、幅約14センチの胴の上部に、同じ長さの金属弦が張ってあります。弦は細弦3本、細巻弦1本、すべてソの音で調律されています。さらに手前に細巻弦が1本、太巻弦が1本ありますが、これは共鳴弦といって共鳴をより豊かにするために設けられています。音階ボタンで押すことはできず開放弦となっており、調律はソの音です。
多彩な魅力を持つ新しい楽器、ヴィオリラ
中世から18世紀頃、バイオリンや二胡など、弦を弓で擦って音を出す擦弦楽器(さつげんがっき)は「ビオール属」とよばれていました。そして、古代ギリシャでは、竪琴のように弦をはじいて音を出す撥弦楽器(はつげんがっき)のことを「リラ(ライヤー)」とよんでいました。「ヴィオリラ」はこの2つの造語で、「擦る」「はじく」の奏法でそれぞれの楽器の特色を活かし、楽しめるところから付けられました。
一見、大正琴と同じような形状をしたヴィオリラですが、大正琴と異なる点がいくつかあります。ヴィオリラの胴体は空洞ではなく厚い1枚板を使用、4本の弦を持っています。そのまま弾くと共鳴も少なく小さな音しか出ません。しかし、マイクをつなげば好きな音量で楽しめ、また音質や残響を変化させることもできます。最大の特徴は、バイオリンやチェロのように弓で演奏できる点でしょう。左手のボタンを細かく震わせればビブラートもかけられ、さらにはピックではじいたり、スティックで叩いたりして演奏することもできます。普通のヴィオリラのほかに、チェロやコントラバスに似た音色を出せるヴィオリラベースもあるなど、アンサンブルでも力を発揮できる楽器です。
大正琴/ヴィオリラの音域
